映画「バブル」観てきました

シンウルトラマンの初日視聴の際、映画館にて見たことあるタイトルが。

 

「バブル」

 

そういえばインスタのストーリーで広告してて、「圧倒没入感」とか某エナジードリンクZ〇NEみたいなキャッチコピーで売り出してるなと記憶してました。

某友人にもスクショを共有し、行こうぜ的な感じに声はかけたものの反応はなし。

そんな中、ここ最近劇場に足を運んでなかったこともあり、生の劇場の良さに感動してたところのこのタイトルが目に入ったらもう行くしかないじゃないですか。

そういうわけで翌日見に行ってきました。

 

総評として、映画館で見るべき映画だと思います。

非常に美しく、迫力があり爽快なアニメーションに、まったく引けを取らない音楽を最高の環境で楽しむというのは映画館でしか味わえない体験です。

本作、しいて言うなら映画館だからこそ化ける作品だと思います。

 

 

以下若干ネタバレ含みます。

 

 

 

3つ印象に残りました。

作画(アニメーション)

音楽

ストーリー(構成、こちらは完全私見かつ好みなのでスキップしてくださってもおk)

 

 

没入感はさておき、非常に作画がいいです。グリングリン視点が動きます。

没入感を真っ向からさて置いちゃいましたが、作画の美しさから作品の世界観というかもう世界そののものにスっと入っていけるような美しさです。

いたるところが、水彩画のような美しい色合いシーンばかり。思い返すと極彩色のシーンも多いように記憶していますが、いずれもガツンとパンチのあるものではなく、淡く、あくまで主題のバブル/泡に浮かぶ光のスペクトルの虹色のような、そんな優しく包み込まれるようなものが強い印象でした。本当に作品の統一性をとるためにいたるところに気を配ったんだろうなと感じられました。

 

近年はドローンの撮影技術の向上もありこういった写し方は「たまに見るすごい画」程度に認識してたものを、作中緩急あるものの、「急」の部分では存分に見せつけてくれていました。

ふとある作品が頭をよぎります。

「鋼鉄城のカバネリ」

ヒロインが出てきたあたりでほぼ確信に変わりました。空色の髪した無名ちゃんやん。

帰宅後HPを見てみると確かにカバネリ作ってたスタジオの作品でした。毎度素晴らしいですね。

アニメーションについて、ひたすらにパルクールしているということで絵面というか表現で一声若干物足りなさはあるものの(だってカバネリはそこに武器ぶっぱなしてますし)大きなスクリーンで手書きの作画であれだけのアクションは確かに見ごたえあります。最初で下げておいてなんですが、マジでいいです。100点近いです。

 

 

 

もうひとつ目を引く…というより耳を引くことがひとつ。作画が~って何か感じ始める前に冒頭のパルクールシーンが始まって否や、

「あれこの曲、澤野じゃね?」

と思えました。聞けば聞くほど澤野だろとなり、エンドロールでやっぱり~(満面の笑み)となるようなくらい澤野でした。流石にトリガー作品ほど澤野節は控えられているようにも感じましたが、どのシーン切り取っても、その作中にとてもマッチしている良い音楽が常に流れていました。

ってかカバネリのOSTも澤野さんなんですね。もうまんまやん。

個人的に澤野さんのある作品のOSTとか持っているくらいにはファンなのでもう最高です。別の記事でこのこともう少し掘り下げたいくらいに好きです。気力あれば書きます。

 

 

 

手放しに最高だったかというとストーリーがまぁ良くもなく悪くもなくという感じでした。ホントに良くも悪くもないのでストーリーについてはノータッチで。あくまで私の感性での感覚です。悪しからず。

 

記事公開直前にふと思い出したことあったのでノータッチと言っておきながら、もう少し言及します。

この映画、結構珍しい普通の地上波アニメみたいに最初OPがありました。

そこで某虚淵氏(ニトロプラス)の不穏な名前が、、、

まどマギFATE/ZEROに代表される有名な会社ですが、基本暗く救いは・・・ となることが多々。唐突にその名前を冒頭で突きつけられた前知識0で劇場に行く派の私はもう不安だらけで作中おちつかなかったです。

詳しいストーリーは省きますが、虚淵氏の割には(?)まだマシな感じで着地したので良かったです。

彼の作品のほとんどで、誰かの自己犠牲や理不尽な死(天災)などが描写されています。案の定今作でもそのどちらもが出てきており、この映画の尺でどうなるんだろうと心配していましたが、結果としては主人公と、その取り巻きの成長という王道な締めで完結しており、悪くはないと思いました。

 

 

 

改めまして総評として、映画館で見るべき映画だと思います。

めちゃくちゃプロモーションにしっかり投資してるだけあり出来は本当にいいです。

 

以下同文ですが、非常に美しく、迫力があり爽快なアニメーションに、まったく引けを取らない音楽を最高の環境で楽しむというのは映画館でしか味わえない体験です。

本作、しいて言うなら映画館だからこそ化ける作品だと思います。

 

公開中にぜひおためしあれ。

下記公式サイト

wwws.warnerbros.co.jp

 

 

シンウルトラマン観ました(2回目)

シンウルトラマン2回目を観てきました。

忘れたくないので感想などを稚拙ではあるもの何か残せればと思い。

 

2回目と言いながら、まずは1度目の感想を。

 

1度目は友人に誘われ公開初日に劇場へ。

この時、恥ずかしなら当作の公開日としらずのこのこと友人と劇場に行っており、感染症も落ち着いてきたから客足も多いんだなと勝手に思い込んでいました。今思い返すと地方映画館にしては異例のレイトショーほぼ満員でした。

行きしなに友人にウルトラマンについてのあらましをヒアリング。

重ねて恥ずかしながらドがつく田舎出身のため、幼い頃(何なら今もでは?)ウルトラマンが地上波で流れることが一度もなく、私の周りの幼馴染たちもウルトラマンよりは、ローカル放送でもかろうじてやっていた仮面ライダーなどの話でもちきりだったとだったのです。友人もそんな幼馴染の一人でしたが、数少ない(何なら唯一?)のウルトラマン識者であったのは記憶の片隅にあり、あれこれもう20年ぶりほどにウルトラマンの会話をするわけです。そもそも20年前は見たことないし手〇フィッシュランドのCMにいる巨人程度で彼の話にも微塵も興味を示していなかったはずなので、20年ぶりというよりも、人生初に近いと思います。

若干早口で昔話をしたところで本題に戻ります。

 

 

以下若干ネタバレを含みます。

 

 

 

良作、でした。

 

ウルトラマンは見たことないものの、ゴジラシリーズはおぼろげにいくつか見てきており、好きな友人から話も聞いておったので、「特撮のこんな感じ」だろうというある種軸が自分の中にもありました。

今作はその点かなししっくりくる内容で、怪獣が出てきて、それを倒して、新たな強敵が・・・というテンポの良さに加え、エヴァでお世話になっている庵野節を加えた非常に痛快なものでした。

具体的には当時の世界設定を現代にポンと置き換えたときの解像度があまりにも高い。

サラリーマンになり歯車の一部となるともう本当にあの作品にすーーーっと自然に馴染んで没入できます。

そして怪人側の対応も相重なって1度目は周りのお客さんに引っ張られ、笑いながら映画を観進めました。

 

怪獣がプレゼンし始めたときはもう本当に楽しくて楽しくて、完全に童心に帰ってました。

そして始まる最後の戦い。

心の中で、「がんばれウルトラマン」と叫ぶ自分がいました。

 

そしてED

 

米津玄師氏が本作テーマを担当しているとは全く知らなかったかつ、このM八七も一度も耳にすることなく来たので、もう圧倒されました。

たったこの2時間でこんなにもウルトラマンのことを好きになり、心から応援するようになり、作品を補完しているEDがこんなにも響く身体にこの2時間で改造されてしまったのではと疑ってやまないほど、後に引く余韻がものすごかったです。

特筆するなら、

「姿見えなくとも、遥か先で見守っている」

「痛みを知るただ一人であれ」

が私にとってのパンチラインでした。

 

 

 

以下2回目視聴&自分自身に対しての考察

 

曲自体の良さももちろんあります。ボカロP時代からの付き合いということもあり、彼の音楽が人一倍沁みやすいということもあるやもしれませんが、それ以上に歌詞に、そしてウルトラマンの生きざまも相重なってのダメージが大きかったです。

 

何でしょう。本当に言語化するの難しいです。

 

でも、この曲は(他の曲を卑下したいということではないですが)、ほかの曲より圧倒的に突出して人生に対しての生々しく真正面からダイレクトな描写が大きく、それが私には強く響いたように感じました。

 

先に挙げた、「ただ一人であれ」という箇所、作中の

ウルトラマンの「君たちは私を神と崇めているが、わたしも一つの同じ生命体であることには変わりない」みないなセリフの箇所があったと思うんですが、「そこが大切なんやで、テーマの一つなんやで」という思いが強く感じられました。

国の首相も、その下について身を粉にして働く人も、下町の工場で働く職人も、日々の生活を送る全員も一つ一つが歌詞の「短く長い旅」を行くかけがえのない命であること。そしてその一つ一つが、映画序盤で長澤まさみ(キャラ名忘れちゃった)が神永さんに説明する、誰かが誰かを支えて生きているんだという箇所に絶妙な命題につながっており、

そして

その作中で描いたすべてをEDでするっと纏めてしまうこの作品の最後の最後まで周到さにただひたすらに圧倒されたんだなと、ようやく1週間の間を開けて2回目を見て、うんうんとこの駄文を書きながらやっと腑に落ちることができました。

 

 

この作品と出会えて幸運だったと思えます。エンタメとしても一品で、深いテーマも様々な解釈ができるいい作品だと感じました。